事業領域(ドメイン)とは何か

事業家というのは、あれもやってみたい、これもやってみたいという気持ちに駆られて、多角事業に乗り出します。ところが大抵の場合は失敗して、やむなく本業回帰に……というのがパターンです。今回は企業の事業領域(ドメイン)について書きます。


企業が社会の中で存在しているからには、社会的な存在として認知されるベき、何らかの使命を有しています。具体的には、人々の便益を向上させるような一定の製品やサービスの提供が企業の社会的使命にあげられます。そこで、どのような事業活動を行い、何を提供して社会的使命を果たすかが企業にとって重要な事になります。この企業活動の範囲を示すものを事業領域(ドメイン)といいます。 ドメインを決めることによって、企業は自らが競争相手と戦っていく「土俵」を、さらに「企業のアイデンティティ」を定めることになります。


それでは、 ドメインはどのように決定されるのでしょうか。この分野で著名なエイベルによると、 ドメインは「市場(誰に)」「顧客機能(何を)」「技術(どのように)」の3次元で決定するのが望ましいと、述べています。さらに3次元のなかで事業の領域をどこまで広げるのかという広がりと、どの程度の違いを提供できるのかという差別化によって、事業が決定されると述べています。


帯広においては、老舗の企業が廃業に追い込まれています。環境の変化に伴って、将来を見据えたドメインの決定をしても、それが有効に機能しなくなる可能性があります。そのような場合には、ゴーイング・コンサーンとしての企業は、思い切ったドメインの見直しが必要になります。それは、経営戦略の重要な課題です。

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