
組織にはじめて参加するとき、その組織に独特なものを感じたり、あるいはどちらかというと奇異な印象を受けるものです。しかしいつの間にかその組織に順応して、不思議に思っていたことも当たり前のようになり、組織に疑問を持つことなく、最終的には長期間の不正を見逃すということになります。
同じ組織の中で働いて似たような仕事をする人々の間では、価値観、世界観、行動規範のそれぞれについて共通性が多く認められます。ものの見方が似てくる、共通の行動をするといったことです。この共有されている価値観や世界観、行動規範を組織文化といいます。企業においては企業文化となります。そして、組織文化にはメリットとデメリットの双方が存在します。
組織文化(企業文化)のメリット
- モチベーションが高まる。
- コミュニケーションが効率的になる。
- 組織(企業)イメージの形成ができる。
このようなメリットを活かせば組織(企業)の発展もあるのですが、それと同時にデメリットもあります。
組織文化(企業文化)のデメリット
思考様式の統一化
メリットの裏返しに、思考パターンが限られてしまい新たな発想が出なくなる。
自己保存本能
組織は自己保存本能が働くものであり、それが強固なものになると「思いこみ」と「しがみつき」にとらわれてしまう。
このようなデメリットが環境の変化に対応できなくなり、組織の破綻を招くことになります。
組織文化(企業文化)は常に環境や経営戦略に適合していく必要があります。組織文化(企業文化)が環境に適応しなくなったとき、組織(企業)は自身の文化の変革を試みます。例えば次のような変革があります。①トップの交代。②新事業の推進。③新たな経営理念や経営ビジヨンの作成及び浸透。いずれも難しいものばかりです。
企業は、環境変化に主体的に適応するために経営戦略を立て、これを具現化するために組織をつくり、人を動かします。企業文化の変革は「環境」と「戦略」の変化に対する「組織」と「人」の変革といえます。