
「経営資源とは?」と問われて、大半の経営者が「そりゃ、ヒト、モノ カネ、情報だよ」と答えます。経営資源の中でもまず「ヒト」を最初に挙げる経営者が多いような気がします。その場合、「ヒト」といっても量としての「ヒト」ではなく、質としての「ヒト」であり、高い資質を持った従業員のことを指します。しかし、高い資質を持っていても仕事に対する意欲が無ければ経営資源にはなりません。 モチベーション(動機づけ)とは、組織メンバーの仕事に対する意欲や欲求を喚起させるものです。
企業は厳しい条件の中で、いかにして競争を勝ち抜くかというと、参入障壁をつくる、ブランドイメージを築く、などがありますが、一番大事なのは、コア・コンピタンス(企業の中核的能力)を持っているかどうかです。この言葉の提唱者であるハメル=プラハッドの定義は「顧客に対して、他社に真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的能力」いうものです。
もう少し具体的には、①顧客のニーズを的確に満たし、顧客に利益をもたらす能力、②競合他社と比較した場合、ユニークであると同時に、他社にとっては真似する事ができない絶対的な競争優位性を生み出す能力、③将来的な活動の基礎となる可能性があり、応用性、発展性、拡張性などの特徴を有し、顧客の変化する要求や市場の動向に対して臨機応変に対処できる能力、と言えます。身近にあるどのような企業にもコア・コンピタンスがあります。それを自ら発見し、人と資源を集中的に投下して磨きをかけるのが競争に勝ち抜く条件になります。