
いま、企業経営において最も必要とされるのは、リーダーシップが発揮できる人材です。モラールの向上についてもモチベーションにしても、その実施においては、具体的制度や施策を従業員に、説得し理解させることが必要です。この役目をする人が「リーダー」であり、従業員を一定の目標の達成に向け努力するように影響を与える能力が「リーダーシップ」と言えます。
「リーダーシップ」の源泉が、リーダー個人が有している資質にある、と考えられた時代がありましたが、その後リーダーの行動パターン(リーダーシップスタイル)が研究されました。優れたマネジャーのリーダーシップ・スタイルについての数々の実証研究が行われ、ここから2次元モデルが生み出されました。
リーダーシップ・スタイルの行動面での特徴
- 仕事や課題に直結した行動
- 人間として部下の感情面へ配慮する行動
2つの次元を抽出して、これらから有能なリーダーシップ・スタイルの説明を 試みるものです。結論としては、①の仕事に関わる次元と、②の人間に関わる次元の両方を考慮したリーダーシップ行動を取ることが好ましいということになりました。また時代が下がると、いかなる場合にも当てはまる最適なリーダーシップ行動は存在しないのではないかという実証結果が出て、どの条件の下で、どのリーダー行動が有効かを明らかにする理論が展開されました。リーダーのおかれている状況は、環境、課題の性質、部下の成熟度等の面で大きく異なります。その場合、リーダーの行動の変化を促すよりも、状況にあったリーダーを登用する方がいいのではないかといわれています。
「素晴らしいリーダーがいるので企業が成長する」というのも事実ですが、「成長する企業は常に素晴らしいリーダーを生み出す」というのもまた事実です。リーダーシップを思う存分発揮できる社風作りが重要です。