労働契約と労働条件の明示

労働者と使用者は、従業員としての採用が決定すると労働契約を結ぶことになります。その場合、労働基準法に定めた基準を満たさなければなりません。労働基準法は、憲法第25条第1項の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という規定を受けて、労働条件に関する基本原則として、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」ことを宣言しています。労働基準法は、この目的のため、契約自由の原則を修正して、労働条件の最低基準を定めた法律で す。また、労働基準法は当事者の意思に優先する「強行法規」であるとも言われています。

例えば、「時間外労働に対する割増賃金は支払わない」と規定しても無効となり、労働基準法第37条に基づき、「時間外労働に対しては2割5分以上の割増賃金を支払う」となります。

労使間のトラブルを未然に防ごうと思えば、まず法令順守としての労働条件の明示そして就業規則の作成が必要になります。労働基準法第15条には「使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対し賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と謳われています。また厚生労働省令において、書面の交付によって明示しなければならない事項として、

  1. 労働契約の期間
  2. 就業の場所・従事する業務の内容
  3. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
  4. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
  5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

を定めています。これらは労働契約書か就業規則で明示しなければなりません。使用者としては、違反すると「30万円以下の罰金」ということもありますので、賃金に関する事項を口頭で伝えるなどというのは厳禁です。

前の記事へ

募集・採用について

次の記事へ

就業規則はなぜ必要なのか