労働分配率と労働生産性

労働基準法において「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と定義しています。すなわち、①使用者が労働者に支払うもの、②労働の対償であるもの、の要件を満たすものは全て賃金としています。

賃金管理には総額賃金管理と個別賃金管理があります。このうち経営者にとって特に関心の深いのは総額賃金管理(企業全体の賃金総額の管理)のほうです。賃金総額を計画する際、よく労働分配率による方法がとられます。これは付加価値(企業活動の結果、新たに生み出された価値)に労働分配率を乗じ、適正賃金総額を算定する方法です。

賃金総額=付加価値×労働分配率

付加価値との関連で労働生産性が問われます。労働生産性が低い場合には、付加価値額が低下し、労働分配率が高くなります。労働分配率が高くモノヘの投資に資本をまわすことができないことは、長期的には競争力低下につながります。

また、労働分配率は、企業の作り出した付加価値を、どのくらい人件費にまわしているかをみる比率です。この労働分配率が同業他社と比較して低ければ支払能力に余力があり、人件費を上げる余裕があることを示しています。一方、労働分配率が高いことは新たな事業への投資が少ないことを示し、将来に向けて成長鈍化の可能性があります。 このように労働分配率、労働生産性、賃金レベルの3つを総合的に考えて、会社の方針や賃金総額を考える必要があります。経営者にとって総額賃金管理は個別賃金管理とともに頭を悩ますテーマです。

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