
労務管理(最近では「人的資源管理」という名称が使われている)上、労働時間管理は、賃金管理と並んで大きなテーマです。また、労働裁判おける紛争も長時間労働に対する賃金未払いの問題が多くを占めます。
労働基準法では、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない」、また1日の労働時間については、「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」と規定しています。これが「1日8時間・1週40時間労働制」といわれるものです。この規定は、いわゆる強行規定であって、使用者と労働者が合意してこれより長い労働時間の契約を結んでも、8時間・40時間を超える部分は無効となります。
ただし、これには次のような例外規定があります。
農水産業従事者
これは農業、畜産、養蚕又は水産の事業に従事する労働者については、天候など自然条件に左右される業務であるため
事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けた者
①~③に該当すれば、労働時間に関する規定は適用除外になります。しかし、そうでなければ、1日8時間、1週40時間労働の原則を守らなければなりません。
ただ、労働基準法第36条において、労使協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出ることを要件として、法定労働時間を超える時間外労働、法定休日における休日労働を認めています。いわゆる「サブロク協定」です。そうすると、実質的には、どのような小さな事業所であっても労使協定は必要になります。