他社との差別化の源泉となる知的資産

他社との差別化の源泉となる知的資産

中小企業は金融機関から融資を受ける際に「安定した資金提供」、「低金利」、「将来性。企業事業への理解度」を求めます。そこで、中小企業は金融機関に将来収益やその持続性を説明するために、財務諸表には表れない企業の無形資産(知的資産)の内容について説明することが重要になります。つまり、(A)他社と何が違うのか、(B)その違いを活用することによって生み出される将来収益が確実なのか、ということです。

大量生産大量消費の時代には、モノ・カネが差別化の源泉でした。近年は、人材、技術、ノウハウ、スピード、組織力、顧客・地域・取引先とのつながり、信頼、プランド等の目に見えにくい資産(「知的資産」)が差別化の源泉になっています。その知的財産の例として、

  1. 製造段階での製品の細部へのこだわりやそれを可能にする技術
  2. 顧客との意思疎通による問題解決能力
  3. サービスの開発スピードやそれを可能にする組織力・システム
  4. 地域や消費者との質の高いネットワーク
  5. 品質や中長期的な安定的存在感
  6. 中期的な取引関係などに基づく信頼に裏打ちされた商品・サービス・企業のブランドカ
  7. 従業員の高いモチベーシヨン

などが挙げられます。知的資産それ自体は価値を生み出すものではありませんが、事業を長年継続してきた結果、企業やヒトに蓄積された固有の資産であるため、他社が一朝一夕には模倣ができない資産といえます。したがって経営に知的資産を活かすことによって得られる将来収益を説明することができれば、その実現可能性と持続的成長可能性は高く評価されることになります。そのためには、まず、「知的資産」という切り口で自社を捉え直す事が必要になります。

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